「神宿る島」沖ノ島、世界文化遺産へ登録勧告。その他の関連資産は?
沖ノ島、世界文化遺産へ!
from sankei
2017年5月5日、報道各紙が一斉に世界遺産候補の「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群について報道しました。例えば
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」一部が世界文化遺産登録へ | NHKニュース
沖ノ島に絞るか「全体」か 世界遺産登録どう判断 :日本経済新聞
内容は、
世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(ICOMOS:国際記念物遺跡会議)が「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の一部が世界文化遺産にふさわしいという判断をしたというもの。
一見、非常に喜ばしいニュースではあるが、ここで大事なのは「一部」ということ。
つまり、当初今回の遺産は「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群ということで大きくは8つの構成資産から構成されていたのだが、そのうち4件は世界遺産にふさわしいが、4件はその価値が認められなかったのです。
認められたのは、沖ノ島自体とその周辺の岩礁の計4件
そして、今回問題となる認められなかったのは、残りの以下4件
- 宗像大社沖津宮遥拝所
- 宗像大社中津宮
- 宗像大社辺津宮
- 新原・奴山古墳群
除外された構成資産を見てみましょう
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群を世界遺産に | 「知る」
今回の登録勧告はざっくりいうと、メインの上記「A」沖ノ島は世界遺産としてふさわしいが、「B」「C」「D」である九州本島や大島にある資産はふさわしくないという判断です。
これは、今回の判断は沖ノ島の「考古学的価値」は認められたが、「信仰と伝統」は価値としては世界共通の価値ではなく、「日本的価値」にとどまるとされたところ。
宗像大社沖津宮遥拝所
宗像市大島
沖ノ島は通常、上陸することができないため、大島より遥拝するという生きた伝統が残る信仰の場
宗像大社中津宮
沖ノ島から展開した7〜9世紀の古代祭祀遺跡を起源とする、大島における信仰の場
宗像大社辺津宮
沖ノ島から展開した7〜9世紀の古代祭祀遺跡を起源とする、九州本土における信仰の場
新原・奴山古墳群
沖ノ島で祭祀を行い続け、今も伝統として残っている宗像氏が存在していたことを表す古墳としての存在
今回のイコモスの判断を受け、どういった対応をし、7月の世界遺産委員会に臨むかは非常に注目されますが、個人的には、当初の予定通り8件の構成資産すべてが登録できるように動いてほしいと思います。
理由としては、
「宗像三女神」は宗像大社沖津宮だけではなく、中津宮、辺津宮がすべてそろって初めて意味を成すのであって、沖ノ島での登録だけでは意味をなさないと思います。
考古学的価値のみならず「信仰・伝統」というところを強調して、全遺産登録を目指してほしいと思います。
ちなみに、最終的に世界遺産に登録されるかは
2017年7月2日からポーランド・クラクフで開催される世界遺産委員会で判断されます。
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