【世界遺産候補】宗像三女神とは? ー「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
宗像三女神
今話題となっている世界遺産候補「神宿る島」宗像・沖ノ島の関連遺産群のキーワードとなりそうな「宗像三女神」をもう少し詳しく紹介します。
以前の記事で「神宿る島」宗像・沖ノ島の関連遺産群がイコモスによる調査・報告の結果、条件付きでの登録勧告が表明されました。
その条件付きが沖ノ島でのみの登録勧告であり、名称を「神宿る島」沖ノ島にせよというものでした。
私の個人的な思いとしては、
「宗像三女神」
という日本古来より信仰されている神の存在の重要性を強調し、すべてを世界遺産として登録できるよう動いてほしいと考えています。
宗像三女神(むなかたさんじょしん)とは?
所説ありますが、宗像大社の社伝では以下のようにされています。
- 沖津宮 - 田心姫神(たごりひめのかみ)
- 中津宮 - 湍津姫神(たぎつひめのかみ)
- 辺津宮 - 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
宗像三女神はその名の通り、三人の女神から構成されていますが、それぞれ沖ノ島の沖津宮に祀られている田心姫神、大島の中津宮に祀られている湍津姫神、九州本土にある宗像大社の辺津宮に祀られている市杵島姫神からなります。
それぞれの宮の位置関係はこちらを参照
宗像三女神は「古事記」、「日本書記」にも登場しており、天照大神と素戔嗚尊の誓約により誕生し、大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する玄界灘の神として崇敬されています。
これら三女神を祀っている三宮を総称して「宗像大社」と呼ばれ、どれかひとつを切り離しても宗像大社の体をなさないのです。
この宗像大社は「宗像神社」「厳島神社」をはじめ、その土地の名前がつけられた神社、あるいは各神社の相殿神(主祭神と一緒に祀る神)として、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地にお祀りされており、その数は6200神社といわれます。
その中には世界遺産である「日光の社寺」の構成資産である「二荒山神社」やおなじく「厳島神社」にも祀られています。
特に面白いのは、厳島神社の名前の由来です。
社伝では、推古天皇元年(593年)、当地方の有力豪族・佐伯鞍職が社殿造営の神託を受け、勅許を得て御笠浜に市杵島姫命を祀る社殿を創建したことに始まるとされる。「イツクシマ」という社名も「イチキシマ」が転じたものとする説がある。
このように「宗像・沖ノ島の関連遺産群」は九州のみならず、日本全国に影響を与える信仰と伝統が今に生きる遺産としての価値があります。
是非、7月の世界遺産委員会で遺産としての価値を強調し、登録されてほしいものです。
ではは。