世界遺産の登録件数を地域別に分類してみたら、こうなった

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地域別世界遺産登録件数状況

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 世界遺産の総数は次の記事でまとめていました。

worldheritagebook.hatenablog.com

 

世界遺産は現在1052件あります。

じゃあ、世界を地域別に分類したらどんな内訳になるか気になりますよね?

気になった方はもう世界遺産の虜です。

今回は世界各地域を5つに大別したときの分類を紹介します。

この分類から世界遺産の登録件数が偏っていることが見えてきます。

 世界遺産地域別登録件数

地域 締約国 文化
遺産
自然
遺産
複合
遺産
合計 比率
アフリカ
(Africa)
33 48 37 5 90 9%
アラブ諸国
(Arab States)
18 73 5 3 81 8%
アジア・太平洋
(Asia and the Pacific)
36 172 62 12 246 23%
欧米諸国
(Europe and North America)
50 426 62 10 498 47%
中南米カリブ地域
(Latin America and the Caribbean)
28 95 37 5 137 13%
合計 165 814 203 35 1052 100%

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UNESCO World Heritage Centre - World Heritage Listより

 

欧米諸国が約半数の世界遺産を保持 

上記表から読み取れるように、世界遺産の実に47%が欧米諸国に集中しています。

逆にアフリカ諸国はその規模とは反比例して9%程度しか占めておりません。

アジア・太平洋地域はその中間程度でしょうか。

これは特にその地域を特徴づける文化の違いからきています。

  • 欧米諸国は石の文化
  • アジアは木の文化
  • アフリカは土の文化

特にヨーロッパの遺跡を見るとわかりますが、建物は基本的に石造で経年劣化に対して強いです。何年たっても風化せず基本的にはその形が残り続けます。

対して、日本を始めとするアジアは木造のものが多く、風化はしやすい構造になっています。

さらにアフリカは土で作られているものが多く、地震のような自然災害が起きようものならすぐに崩れ落ちてしまいます。

そのため、古い建造物は必然と少なくなってしまいます。

アフリカの世界遺産となると、日本に住む我々からすると非常になじみが薄いのでそもそもどんなのがあったっけ?というレベルとなりますが、そもそも上記に理由から世界遺産の保有そのものが少ないんですよね。

 

また、アラブ諸国はシリアを始め、武装勢力などによる政情不安、破壊行為が横行しており、危機遺産として登録され、世界遺産の存続が危ぶまれているところも多々存在しています。

 

このような不均衡は仕方がないといえば仕方がありませんが、世界遺産の不均衡を解消していかなければなりません。その対策として、世界遺産を補完する形で世界無形文化遺産が形作られました。

 

世界遺産に偏りがあるというのは、「多様性」という考えからも好ましくないため、なんとか是正できるように世界各国が動いていくといいですね。