世界遺産って何件あるの?自然遺産の数は?文化遺産の数は?

スポンサーリンク

2017.11.20更新

世界遺産って何件あるの?

f:id:worldheritage0810:20171120212623p:plain

世界遺産の数を知っている方はどれくらいいるでしょうか?

毎年、件数が増えていくので把握している人は非常に少ないですよね。

そして、富士山は自然遺産ではなくて文化遺産で登録されたんだよね?

自然遺産と文化遺産の割合ってどれくらい?半々ぐらい?

と、世界遺産について疑問を持たれる方も多いと思います。

今回は、個々に世界遺産を見るのではなく、大局的に世界遺産の件数についてまとめます。

 

世界遺産って毎年どれくらい登録されているの?

世界遺産は毎年6~7月ごろに開催される世界遺産委員会という場で審議されます。

今まで毎年開催されているので、それをまとめました。

f:id:worldheritage0810:20171120212904p:plain

 

  • その年によって登録件数はバラバラ(10件~60件程度)
  • 90年代は増加傾向にあった
  • 近年は減少傾向にあり、20件程度に抑えている
  • 今年(2017年)は昨年同様、21件だった(自然遺産3件、文化遺産18件)

 

この背景には世界遺産が特定の国に集中している(ヨーロッパ圏)ことだったり、自然遺産の割合が少ないことなど登録に不均衡が出てきて、それを是正するという流れがでてきたため、登録物件数に制限がかかってきたことがあげられます。

 

昨年の世界遺産委員会でも

 

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は26日、パリで開催中の臨時会合で、毎年1度の審査で扱う新規登録案件の上限を現在の45件から35件に減らすことを決めた。1国1件とし、各国からの推薦数が上限を超えた場合は、遺産の数が少ない国の案件や複数の国にまたがるものを優先する。

 文化遺産より登録数が少ない自然、複合遺産の審査を先行させる方針も明記した。文化庁によると、2020年夏の審査から適用される。

 ユネスコは近年、諮問機関の事前審査を厳格化することで、委員会の審査に回す件数を35件前後に抑えている。文化庁は「上限を実態に近づけるにとどまった。日本に大きな影響はないだろう」とみている。現在、審査を受けられるのは1国につき年2件。日本が20年以降、同時に複数候補の登録を推薦する予定もない。

 

世界遺産の審査数、上限35件に削減 ユネスコ :日本経済新聞

 

 

 

2020年より 世界遺産委員会での審議上限件数を45件→35件に減少することが決定されています。また、1か国当たりの審査件数も2件→1件に減少されてきており、世界遺産の登録数の上昇を抑える動きが出てきています。

ちなみに、日本では来年2018年は2件申請しており、

■ 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(熊本県、長崎県)

■ 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(沖縄県、鹿児島県)

が審査されます。

 

 

また、昔の話になりますが、文化庁で2008年の第11回世界文化遺産特別委員会で次のような報告がなされています。

(1)遺産登録数における地域的不均衡

・ 欧州諸国の遺産登録数(全体の46%)が圧倒的に多く,アジア諸国やアフリカ諸国の遺産登録数が少ない。
・ 締約国のうち,30件以上の登録遺産をもつ締約国(スペイン,イタリア,中国)がある一方,登録数ゼロの締約国が全体の約23%を占める。(平成19年7月)
(2)自然遺産と文化遺産の数的不均衡

・ 文化遺産と自然遺産の登録数に大きな差がある(文化遺産660件,自然遺産166件,複合遺産25件)。
・ 文化遺産は欧州で急速に増加しているのに対し,自然遺産はアフリカ,アメリカ,オセアニアに偏っている。
(3)文化遺産の種別の不均衡

・ 教会建築,歴史地区,古代都市,旧市街,城塞などの同種のカテゴリーの遺産が数多く登録され,世界の多様な文化を反映した豊かな内容のリストになっていない。

 

参考資料1-6|文化庁

 

世界遺産の数はこのままいけば増え続け、むしろ管理が不十分になることで本末転倒になる恐れがあり、登録件数を抑えようという動きがでてきています。

 

世界遺産の登録総数は?

気になる世界遺産の総数を推移から追ってみていきましょう

f:id:worldheritage0810:20171120213147p:plain

1978年以降あたりまえですが右肩上がりに登録件数は増加しています。

2017年11月現在総数として1073件存在します。

上記のグラフは登録件数ベースなので、のちに登録抹消された件や合併された件は考慮に入れていません。

このまま増えていくと2000件,3000件となっていくのでしょうか?

もしくは、見直しをかけてある一定の件数で管理していくのでしょうか?

どちらにしてもいつかはそういった判断をしていかなければなりませんね。

 

 

自然遺産と文化遺産の割合は?

といった、見出しですが、複合遺産を忘れないでください。

1073件中の自然遺産、文化遺産、複合遺産の内訳は以下です。

f:id:worldheritage0810:20171120213342p:plain

 

文化遺産:832件(78%)

自然遺産:206件(19%)

複合遺産:35件(3%)

 

ダントツで文化遺産が多いですね。

 この不均衡も是正する必要があるため、世界遺産委員会では対策を講じています。

 

 

 

今回の世界遺産の登録件数と割合を見てみなさんはどう感じましたか?

「世界遺産ってこんなにあるの?」

「自然遺産って少ないんだね」

など、感じていただいて世界遺産に興味を持っていただければ幸いです。