【書評】「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 / 佐滝 剛弘

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世界遺産ってなんでしょうか?

【概要】

あらためて世界遺産って何ってことを問いただしたのが本書。
これまで50カ国、230件あまりをめぐってきた著者であり、世界遺産マイスターの称号を持っている方。

なんで石見銀山世界遺産なのに、ナイアガラの滝は世界遺産じゃないの?
ってところから、世界遺産の意義は何?、なんで登録抹消されることもあるの?ってことまで書かれているのが本書です。

 

みなさんが世界遺産と言われて思い浮かべるのは、「モンサンミッシェル」や「タージマハル」など知名度がほぼ100%、旅行ガイドブックなどの表紙になるような物件だと思います。

 

 

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 名称:モン・サン・ミシェルとその湾

国名:フランス共和国

登録年:1979年

分類:文化遺産

登録基準:(i)(iii)(vi)

 

 

世界遺産に登録されるには、「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」が必要です。
本書では、顕著な普遍的価値を次のように定義しています。

国家の間を超えて地球規模で人類全体にとって、現代および将来世代に共通した重要性を持つような、傑出した文化的、自然的価値のこと

 

つまり、どこの国に住んでいようが、どんな宗教を信じていようが、老いも若きも男も女も、誰が見ても、「これは後世に残していかなければならないな」と思うような価値があるもの、でしょうか。

この本では特にその世界遺産のジレンマを書いています。

世界遺産に登録される⇒注目され、観光客が増える⇒ゴミが増える、車が増える⇒世界遺産周辺の環境悪化

これじゃ、なんのための世界遺産かわかりませんよね?

 

この本は次の方にオススメ!

など世界遺産ってただの観光名所を集めたものじゃないの?ということに疑問を持ち始めた方は一歩進んだ理解ができる本だと思います。

世界遺産の世界に入る導入本としてオススメです。

これを機会に世界遺産検定を受けてみては?

 

世界遺産を勉強することは、人類のこれまでの歴史を学ぶような気がして、いつもわくわくしますよね。