【2017】第41回世界遺産委員会の事前情報(候補地の勧告結果)
今年審議される世界遺産候補地の勧告結果
今年の7月2日~12日に開催される第41回世界遺産委員会はポーランドのクラクフで行われます。
先日、今年審議される日本の世界遺産候補「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」がICOMOSより条件付きで登録(記載)勧告されたことをお伝えしました。
その他の国の世界遺産候補の審査状況はどうなの?と疑問を持った方もいると思うので、まとめてみました。
なお、今回の世界遺産委員会で審議されるのは世界遺産候補地38件のリストです。
内容は、文化遺産29件、自然遺産8件、複合遺産1件となっています。
(範囲の変更件も含む)
実際は、7月に開催される世界遺産委員会での審議で最終決定されますが、ICOMOSとIUCNの勧告を事前に知っておくと、興味もさらに湧くとおもいます。
特に今回の件で注目点といえば、私的には2点です。
① 世界遺産未保有国
アンゴラ・エリトリア
が初の世界遺産登録なるかどうか
→世界遺産検定にでるかもよー。
② 日本の推薦件
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
がどの範囲登録されるかどうか
なお、審査の分類は以下になります。
(1) 記載(Inscription):世界遺産一覧表に記載するもの。
(2) 情報照会(Referral):追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの。
(3) 記載延期(Deferral):より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの。推薦書の再提出後,約1年半をかけて再度諮問機関の審査を受ける必要がある。
(4) 不記載(Not to inscribe):記載にふさわしくないもの。(世界遺産委員会で不記載決議となった場合,例外的な場合を除き再推薦は不可。)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2016051702.html
2017審査状況
推薦名 | 推薦国 | 種別 | 勧告 | |||
登録 (承認) |
情報照会 | 登録延期 | 不登録 (不承認) |
|||
ビターカニカ保全地域 | インド | 自然 | ○ | |||
青海可可西里 | 中国 | 自然 | ○ | |||
ダウリアの景観群 | モンゴル/ロシア | 自然 | ||||
モール国立公園 | ガーナ | 自然 | ○ | |||
W=アルリ=ペンジャリの公園群 (「ニジェールのW国立公園」の拡大) |
ブルキナファソ/ベナン | 自然 | ○ | |||
カルパティアおよびヨーロッパの他地域のブナ原生林群 | アルバニア/イタリア/ウクライナ/オーストリア/クロアチア/スペイン/スロバキア/ブルガリア/ベルギー/ポーランド/ルーマニア | 自然 | ○ | |||
シーラ国立公園 | イタリア | 自然 | 取り下げ | |||
ロス・アレルセス国立公園 | アルゼンチン | 自然 | ○ | |||
テワカン=クイカトラン渓谷 : メソアメリカの起源となる環境 | メキシコ | 複合 | ○ | |||
ヤズドの歴史都市 | イラン | 文化 | ○ | |||
アフマダーバードの歴史都市 | インド | 文化 | ○ | |||
古代イシャナプラの文化的景観を代表するサンボー・プレイ・クック考古遺跡 | カンボジア | 文化 | ○ | |||
ソウルの城壁、漢陽都城 | 韓国 | 文化 | 取り下げ | |||
歴史的共同租界、鼓浪嶼 | 中国 | 文化 | ○ | |||
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群 | 日本 | 文化 | ○ | |||
伝統的な商人の港ホール・ドゥバイ | アラブ首長国連邦 | 文化 | ○ | |||
ディルムンの古墳群 | バーレーン | 文化 | 取り下げ | |||
サルトの折衷主義的建築(1865年-1925年)、レヴァントの建築言語の起源と進化 | ヨルダン | 文化 | ○ | |||
ンバンザ=コンゴの歴史地区 | アンゴラ | 文化 | ○ | |||
アフリカのモダニズム都市アスマラ | エリトリア | 文化 | ○ | |||
コマニの文化的景観 | 南アフリカ | 文化 | ○ | |||
シャキの歴史地区とハーンの宮殿 | アゼルバイジャン | 文化 | ○ | |||
イングランドの湖水地方 | イギリス | 文化 | ○ | |||
15世紀から17世紀のヴェネツィア共和国防衛施設群 | イタリア/クロアチア/モンテネグロ | 文化 | ○ | |||
ゲラティ修道院 | ジョージア | 文化 | ||||
タラヨ的メノルカ | スペイン | 文化 | ○ | |||
南西グリーンランドの亜北極農業景観 | デンマーク/(クリーブランド) | 文化 | ○ | |||
最古の氷河期芸術のある洞窟群 | ドイツ | 文化 | ○ | |||
ナウムブルク大聖堂とザーレ・ウンシュトルトの中世盛期の文化的景観 | ドイツ | 文化 | ○ | |||
ヴァイマル、デッサウおよびベルナウのバウハウスとその関連遺産群 (「ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」の拡大) |
ドイツ | 文化 | ○ | |||
中部ドイツのルター関連史跡群 (「アイスレーベンとヴィッテンベルクにあるルター記念建造物群」の拡大) |
ドイツ | 文化 | ○ | |||
アフロディシアス | トルコ | 文化 | ○ | |||
ストラスブール : グラン・ディルからノイシュタットまでの欧州都市の一風景 (「ストラスブールのグラン・ディル」の拡大) |
フランス | 文化 | ○ | |||
タプタプアテア | フランス/(フランス領ポリネシア) | 文化 | ○ | |||
タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水利システム | ポーランド | 文化 | ○ | |||
オルヘユル・ヴェキの考古景観 | モルドバ | 文化 | 取り下げ | |||
スヴィヤジツクの集落島の生神女就寝大聖堂 | ロシア | 文化 | ○ | |||
ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡 | ブラジル | 文化 | ○ |
長々となりましたが、
世界遺産委員会、気になります。
アンゴラとエリトリアは初の世界遺産となりそうですね。
少しでも興味を持った方は、
世界遺産検定を受けてみてはどうでしょうか?
ではは